金融投資と事業投資の違いを理解する

投資には大きく分けて2つの投資があります

それが、「金融投資」と「事業投資」です

皆さんは「投資」と聞いてイメージするのはどちらでしょうか?

この2つの投資には大きな違いがあります。

「金融投資」

株券や債券などを保有することで配当金、売却益、利息、分配金などを得る権利

(=ペーパーアセット)

金融投資の特徴は、同じ時期に同じ銘柄に同じ金額を投資した場合、結果は全て同じになります。

「事業投資」

新規事業、設備増強、M&A、研究開発といった事業投資には、常に失敗する可能性がついてまわります。

投資リターンの回収と実現には、投資後のマネジメントと努力が必要不可欠です。

当然ながら、同業種で同じ時期に同じ金額を投資した場合でも、投資後の行動によって結果は大きく変わってきます。

上記を読んでもらえれば分かる通り、この2つの「投資」は全くの別物なのです。

4つのクワドランド【E・S・B・I】

E = Eクワドラント・・・Employee(従業員・サラリーマン)

S = Sクワドラント・・・Self-employed(自営業)

B = Bクワドラント・・・Business-owner(ビジネスオーナー)

I = Iクワドラント・・・ Investor(投資家)

「投資」と名前がついていますが、この4つのクワドランドで表すと、

金融投資=Investor(投資家)

事業投資=Business-owner(ビジネスオーナー)/ Self-employed(自営業)

こちらのカテゴリーの方が近いのではないでしょうか。

では、この2つの投資の違いを理解したところでどちらの投資が魅力的に映るでしょうか?

金融投資の方が、投資後の努力が必要ではないということで楽そうに見えるかもしれません。
(注、厳密にはマーケットの調査や確認など大変なことはたくさんありますよ)

確かに金融投資のメリットとして、知識やスキルがなかったとしてもきちんとしたアドバイザーが居れば資産を増やすことは可能です。

しかしながら、金融投資は圧倒的に資金力がある方が有利です。

例えば、年利10%で運用できる投資案件があったとします。

Aさんは100万円を投資

Bさんは1億円を投資

Aさんの1年間のリターンは10万円

Bさんの1年間のリターンは1,000万円

同じ年利10%で運用できたとしても受け取れる金額は大きく変わってきます。

当然、マイナスになった場合はBさんの方が元金が大きく毀損するリスクがあるので、それだけのリスクを取っているので受け取るリターンが多いのも当然ですが…

要するに、

金融投資で得たい金額を得るためにはそれなりの資金が必要であること。

投資する案件にもよりますが、大きなリターンが狙える案件は相応のリスクも発生すること。

単純計算で年間500万円の配当所得を得たい場合、年利10%だったとして5,000万円の自己資金は必要になります。

安定的に年利10%は現実的ではないので、5%であれば1億円が必要です。

少額からスタート出来る積立投資のようなものもありますが、それは長期で将来の備えとして行うものなので、配当所得を得れるような類のものではありません。

では、事業投資の方はどうでしょうか?

事業投資は金融投資と違い、投資後の運営方法などによって大きな差が出ます。

そのため、事業投資で大切なのは「勝てる市場」であるのか?

この見極めが重要です。

この「勝てる市場の見極め」というのは金融投資と同じですが、大きな違いは「初期投資のリスクを抑えることが可能」ということです。

金融投資では、資本力の大きさが結果に直結しますが、事業投資の場合は投資後の努力によって結果を変えることも可能ですので、アイディア次第で低資本で勝負することができます。

これからのアフターコロナの時代、大企業もどんどん副業解禁の姿勢を取っています。

副業ではなく、複業の時代になってきました。

1つの収入源だけではなく、いくつもの収入源を確保していくことがこれからの時代に適した生き方です。

これまで「投資」を考えてこなかった多くの人達も様々な投資に目を向けていかなくてはならない時代になってきます。

そうでなければ、老後の資金を確保することは難しいです。

金融担当大臣の麻生さんは金融庁のレポートの受け取りを拒否しましたが、金融庁は老後資金として2,000万円は必要と警鐘を鳴らしています。

https://www.asahi.com/articles/ASM6C3VLGM6CULFA00S.html

自分が目指すゴールはどこなのかを明確にして、そこから逆算していくことにより「自分に向いている投資」がわかってきます。

すでに資産がある方であれば、金融投資で手堅い金利、配当を受け取っていくことも良いでしょう。

しかしながら、そこまでのまとまった資金がないのであれば、自己投資として様々なことに挑戦していくことも必要です。

なにか新しいことを始めるためには資金が必要です。

この2つの投資の違いを理解した上で、将来に向けての投資を行なってもらえれば幸いです。